『レオン』のリュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て脚本・監督を務め、2023年のヨーロピアン・フィルム・マーケットでお披露目されるや、完成度の高さから世界中のバイヤーに大きな衝撃を与え、同年、第80回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門での上映では「リュック・ベッソン監督、完全復活!」「ベッソンの最高傑作!」と大絶賛の嵐を巻き起こしたバイオレンス・アクション映画『DOGMAN ドッグマン』。タイトルに「ドッグ」が付く本作にはサイズも犬種も多種多様な犬たちが登場する。大量の犬たちとの撮影はどのように行われたのか?ドッグトレーナーをはじめ、犬たちとの撮影に携わったスタッフたちに話を聞いた。
ある夜、警察に止められた一台のトラック。運転席には負傷し、女装をした男。荷台には十数匹の犬。“ドッグマン”と呼ばれるその男は、半生を語り始めた―。犬小屋で育てられ暴力が全てだった少年時代。トラウマを抱えながらも、犬たちに救われ成長していく中で恋をし、世間に馴染もうとするが、人に裏切られ、苦しめられ、深く傷ついていく。犬たちの愛に何度も助けられてきた男は、絶望的な人生を受け入れ、生きていくため、犬たちと共に犯罪に手を染めてゆくが、“死刑執行人”と呼ばれるギャングに目を付けられ― 映画史に刻まれる愛と暴力の切なくも壮絶な人生に圧倒される!
「犬たちが登場することは理解していたが、ここまで多くの種類が登場し、そして様々な個性を持っていることは想定していなかった…。複雑なトレーニングが必要な一方で時間にも限りがあり、それでも監督は私に任せてくれた」そう語るのは本作に参加した、ハリウッドで長年仕事をしてきたドッグトレーナーのマチルド・ドゥ・カグニ―だ。脚本に魅了されて参加を決めたものの、犬が大量に出演する本作のスケール感には不安しかなかったそうだ。
ベッソン監督から提示された集めたい犬の条件は「トレーニングを受けた経験があり、準備に長い時間を要しない犬」。監督はドゥ・カグニ―の飼育している犬たちをすぐに気に入ったそうだ。しかし、撮影の行われたフランスでも犬を調達しなければならず…「撮影に必要な犬を探すため、総勢15名ほどのトレーナーが雇われた。そして最大の課題は犬、トレーナー、セット、俳優のすべてを一度に調整し、可能な限り早く撮影を開始することだった」と彼女は振り返った。
犬が噛み付いた際の顎の力をコントロールさせる“バイト・トレーニング”の専門家も撮影に参加した。専門家ソファーヌ・タレフェは「俳優が大声を出したり、歌ったり、激しい動きをしても犬たちが驚かないようにしなければならなかった」と撮影での苦労した点を話す。スタント・コーディネイターのアラン・フィグラルツは通常のアクションスタントに加え、“ドッグ・リリース”と呼ばれる犬殺陣も担当。犬のアクションの際の動きのコースを設定し「俳優の代わりに噛まれる役目はもちろん、ケーブルで吊るされ、喉に噛み付かれそうになるシーンも担った」と、予告編でも見られる犬とのアクションシーンを担当したことが判明した。
主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズは犬とトレーニングを積んだのか?ドゥ・カグニーに聞くと「ケイレブは3日に渡って犬たちと過ごし、ドッグトレーナーの仕事についても慣れてくれた。彼は好奇心旺盛で犬たちと熱心に準備をしてくれたよ!」と話した。そして、劇中で大活躍するシン犬画像4点も解禁!ドッグマン(ケイレブ)も癒されている。
3月8日(金) 新宿バルト9ほか全国公開